富山循環経済モデル創成に向けた産学官民共創拠点

課題３：リサイクルアルミニウム押出し加工時の不純物影響低減工法の開発

研究開発課題リーダー
白鳥　智美
富山大学　学術研究部工学系　教授

リサイクルアルミニウムを使って、圧延を行う時に非常に発生する不具合に、表面がひび割れるテアリングがあります。これは、不純物が混入することで、低融点の金属間化合物ができ、加工時の熱でその金属間化合物が溶解するも一因であることが分かってきました。

本研究開発課題では、このテアリング防止に向けて、工具の改良による摩擦の低減、冷却しながらの押出し等の工夫を行い、規格から外れた組成のリサイクルアルミニウムでも問題なく押し出せる技術を開発します。

参考文献：ゲンバンルン　スカンタカン, 船塚達也, 高辻則夫, 村上哲, & 堂田邦明. (2018). 高力 Al–Zn–Mg–Cu 系合金の熱間押出におけるテアリング発生挙動. 軽金属, 68(12), 660-666.
参考文献：Funazuka, T., Dohda, K., Takatsuji, N., Hu, C., & Sukunthakan, N. (2022). Effect of die coating on surface crack depth of hot extruded 7075 aluminum alloy. Friction, 1-13.

対策１　冷却利用による加工性コントロールの実現

参考文献：T. Funazuka, K. Dohda, N. Takatusji, K. Takano, & N. Sukunthakan, “Effect of Temperature on Surface Cracking Defects in AA7075 Hot Extrusion.”, 25th International Conference on Material Forming, April 27-29, 2022, 227.

対策２　工具見直しによる摩擦低減　→摩擦熱低減　→温度上昇低減

工具材質の変更
東北大学発，「コバリオン」

工具仕上げの変更
ナノメートル周期溝構造の付加

参考文献：Funazuka, T., Dohda, K., Shiratori, T., Horiuchi, S., & Watanabe, I. (2022). Effect of Punch Surface Microtexture on the Microextrudability of AA6063 Micro Backward Extrusion. Micromachines, 13(11), 2001.